田中慎樹メモ

ネット広告、ビジネスモデル、ベンチャー、経営、日常について

Francfranc運営会社のバルスがセブン&アイ・ホールディングスの出資を受入

このニュースを見て、今日の頭の体操。

サマリ

セブン&アイ・ホールディングスが「Francfranc」運営する株式会社バルスの株式49%を第三者割当増資などで50億円掛けて取得。バルスは2012年MBOによる上場廃止後、香港を本社においてアジア展開を狙ったが、方針転換を余儀なくされた模様。セブン&アイの巨大流通網を活かせれば弾みがつくがリブランディングに課題。セブン&アイ側のPMI能力も問われる。
以下詳細。


株式会社バルスについて

業績推移

Findings

  • 残念ながらMBOした時と比べて時価総額が2/3になった算定
  • 「MBOが2011年の震災後のタイミングで決定していることも踏まえると、国内で利益を創出できるうちにアジアへの展開に向けて勝負したが、芽が育つ感触が得られず。国内回帰を決定した」といったあたりか

改めて、国内で勝てるか

ブランド認識とその劣化

今回の資本・業務提携は劇薬
  • 成長にも衰退にも転び得る
    • セブン&アイの巨大流通網に乗せることで改めて売上向上の機会を探りたい
    • 一方、流通が進むことで中期的にブランド劣化が更に進む恐れも
      • バルス側はFrancfrancという柱1本しかないので死活問題
  • セブン&アイのPMI(Post Merger Integration)の力も問われる
    • ニッセン、バーニーズ、など、この半年の買収トラックがかなり多いので、セブン&アイ側が相当うまくやり、バルス側もうまく這い上がっていかないと、停滞するかも
    • 2014年4月の消費税増税ショックを越えて景気の良さが継続するならば強力な追い風。PMIを試行錯誤する時間が稼げる

nanapiさんの事業計画と堀江さんのパッション

本日話題になった記事について。

ある意味教科書的というか、詰め将棋を思わせる緻密なストーリー。こんなにコンパクトに日本語のドキュメントで読めたことはないと思います。とても貴重。


これを味わった後に堀江さんのインタビューを読むと、また別のパッションとちょっとした毒を感じられて、面白いわけです。

アントレプレナーシップにおいて、いまを生きるという発想と計画性は両立するものでしょうか。

そもそも、何のために計画を立てるのかがわかりません。計画を立てたからといってその通りに事が進むわけではありません。むしろ計画通りに進まないことのほうが多いものです。計画は一定の目安・目標だと言う人もいますが、僕には自己満足にしか見えません。計画を立てて安心し、計画通りに進まないことにいらだつ。自分のなかで勝手に踊っているだけに見えます。
もちろん、何か新しいビジネスを実現するには、いくつかの必要な要素が存在します。それぞれの要素をいつまでに実現しなければならないかというのは、実際にやってみなければわかりません。できないことはできない、できることはできる。それは事前にわかるものではないのです。

http://www.dhbr.net/articles/-/2255?page=2

※この記事を読むためのid/passはhttps://www.facebook.com/kobayashimasashi/posts/10152038389644446 にあります。期間限定のようです。


自分なりに補助線を引くと、「ソーシャルメディア」は基本的にリクープまで長いビジネス。勝負はリクープまでの時間をどう縮め、更に事業をどう加速させるか。でも安易に加速しようとすると本質価値は毀損するもので、なかなか簡単ではありません。
極めてまれに大爆発するものがありますし、プレイヤーとしてはそれを夢見つつも、そうでないことが当たり前。それに気づいてからどうするかが本当の勝負なんだと思います。

はてな東京オフィスの隣、根津美術館庭園に行ってきた

自分が勤める株式会社はてなの東京オフィスは根津美術館http://www.nezu-muse.or.jp/)に隣接したビルにあります。借景とさせて貰ってます。
これは今朝、オフィスから外を撮った様子。イチョウの黄葉が綺麗。


iPhone片手に、昼休みに訪れてみました。



入館料はその時の特別展によって違います。今は「井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ」。1,200円也。

井戸茶碗の展示を覗いてみたものの、自分は興味がないことが確認できました。すみません。



入館料さえ払えば庭園に入るのは無料。さっそく紅葉です。逆光だけど南向きだからしょうがない。



振り返って、はてなが入居しているビルを眺めます。庭園の歩道からはオフィスの中は見えないようにうまく設計されています。



既に夕方の気配まで感じさせる日陰。池に映る紅葉もなかなか良い。



中世から近代にかけての石仏も点在。根津嘉一郎翁のコレクションは幅広い。(wikipedia: 根津嘉一郎根津美術館



茶室は茶会でのみ立ち入りOK。ちょうど茶会が終わったところらしく、和装の人が数十人いました。



庭園の風情は、京都南禅寺の敷地内にある小さいお寺さんに似てると思いました。



南端には菅原道真公を奉る神社。



紅葉が最盛期です。青い空と映えます。


都心のなかの静けさを味わいたいかたは、是非お昼にはてなにて打ち合わせの予定を入れてください。
これから冬になり落葉しますが、しんとした雰囲気もなかなか期待できると思います。

インハウスリスティング広告運用が理想であるか否か

インハウスリスティング広告運用は本当に理想の管理体制なのか? | SEM-LABO
今日もメモ。良い記事です。
あえて言い切ります。(確信度9割ぐらいだけど)

  • インハウスリスティング広告運用が理想であるに決まってます
  • 育成・配転・評価という人事領域に強くない会社だとそうとは限らないというだけ

以上


追記

  • とはいえ、人事領域に強い会社は数としては多くないので、良くある悩みですよね
  • 経営に助言できる立場にいるなら、人事の運用も最適化しようという助言をする。それで一択
  • 普通、リスティング/ マーケ専門家は経営に助言できる立場にない形で顧客企業と接するので、悩みを共有することで精一杯だろう
    • 長くつきあっていき信頼感を得ていく中で変えていける可能性はあるでしょう
  • 経営としては替えの効きにくいハイスキル人材が退職することが痛手
    • ここでの競争優位は期待せずに、外注に任せる手もある
  • この分野で競争優位をとりたいならば、育成をどうするか考えるべき
  • 真っ先に検討するべきパスは、現場にいるコア人材をインハウスリスティング運用チームに回し、2-3年で現場に戻すこと
    • 優秀な人材であればキャッチアップ可能
      • リスティングは勉強できるし、小さいサイズでPDCA回せて経験値が溜まりやすい。他の職種転換よりは成功率が高い
        • 例えば、小売業における立地担当とかに類似してるが、店長を立地担当に配転するよりはだいぶ難易度低い
    • 何より、商売の鍵となる要素を理解する人材も育成できる
    • それと引き替えに、人件費と、最初の「無駄打ち」については経営が腹を括る必要がある

今日から10年目です

私が株式会社はてなに入社したのが2004/5/1でした。つまり、今日から10年目です。
社長含めて入社5番目の者として、渋谷区鉢山町のインキュベーション施設の一角で働き始めたのが9年前。当時、自分が9年間勤めあげるとはさすがに想像もしていませんでした。
過去9年間より、もっと良い仕事ができるように一歩一歩を大切にしていこうと思います。ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。