ソーシャル・ネットワーク・サービスの本当の市場価値は? | TechCrunch Japan
国をまたいでSNSサービスが提供されるから、このように国/地域補正などのアイデアが出てくる。興味深い。
自分用にちょっと確認メモ。
TechCrunchでの算出方法
- 評価された企業の事例から市場価値の規模感を算出する
- これはよくある手法
- Facebook、Bebo、LinkedInでは事例があるのでこれを使う
- (a)ユーザー数全体を、国/地域ごとで補正してポイント算出
- (b)各事例を当てはめてポイントあたりの価値を算出。これに各サービスのポイント数を掛ければ評価額を出せる
という論法。
(a)ポイントの算出
- 各サービスで公表されたユーザー数が基礎となる数値
- これに、国/地域毎の、SNSユーザー1人あたりネット広告費で重み付けする
感想その1:(a)ポイント算出については、データの内訳を見たいな。
ポイントの算出において、SNSユーザーが各国で何人いるかはかなりいい加減な数値となり得るという予想。データ内訳を見たいなー
感想その2:(b)ポイントあたりの評価額はmixiのものを使うといいのに。
公開されてるから、買収/投資の際の恣意性はだいぶ排除されるはず。以下やってみます。
Yahoo!ファイナンスを見るとmixiの時価総額は今日の午前中で112,702百万円。1ドル=107円とすると10.5億ドル。
TechCrunchの記事によるとmixiはトータル1,123,293ポイントだから、10.5億ドル/1,123,293ポイント=935ドル/ポイント。Facebook(1,467)・LinkedIn(1,325)より安いけどBeebo(240)よりは4倍近く高い。逆に言うと、公開企業のmixiがこのレンジに入っているから、TechCrunchの算出はさほど的外れじゃなさそう。
※mixiはFindjob!のビジネスも行っているのでこの寄与分を差っ引く必要がある。けど、ユーザー数の規模を考えるとmixiの方がかなり多くの市場価値を持っているだろうから、ざっくりこれでいいかなと思う。
感想その3:でも、そもそもメディアの市場価値算出は難しい。
トップの会社はトップであるからこそ過剰評価される。
例えば、買収/アライアンス先としての期待があると、市場価値はかなり多めに出る。MyspaceやFacebookには、MicrosoftやGoogleがお互いに競争し、奪われまいと過剰な広告費を払うので、売上も利益も多くつき、市場価値も多く算出される。けど、そこまでの規模に行かない3位以下のプレイヤーに対しては投資/提携先は”フェアバリュー”での取引を心がけるので、ポイントあたりの評価額は下がらざるを得ない。
同様に、カテゴリトップであると同じユーザー数でも評価が高くなる。mixiはPCの世界では日本のSNSのドミナント。LinkedInは欧米のビジネスの世界ではSNSのドミナント。だからポイントあたりの評価額は高い。と考えることができる。 一方、数百万人以上のUUを持つならば、「自分がトップだ」という「カテゴリ」は見いだすことはできる。そのカテゴリ分けが本当に価値算出において意味があるかどうか、だんだん判断が難しくなる。
計算が概ね正しいか、間違いが大きいかととるかでだいぶ数字の見方は変わる。 この世界での唯一解はない。このようなやり方では世界はこう見える、という視座の引き出しを多くもっておくしかないという気持ちを新たにした次第。