田中慎樹メモ

ネット広告、ビジネスモデル、ベンチャー、経営、日常について

BOX, incが上場申請

クラウドストレージのBox、IPOを申請 - CNET Japanを見かけて。

BOXといえば、自分がiPhoneを買ってすぐ入れてみたストレージアプリの一つでした。サービスブランドも個人向けを意識したBOX.netだった。
Dropboxとの競合の末、法人向けにピボットして上場へ。バリュエーションも$10Bクラスで、Dropboxと同レベル。赤字上場で、赤字幅がどんどん拡大してる中での上場を決めるとは、なかなか派手で強気。

基礎情報

  • サービスはクラウドストレージ及びコラボレーションサービス
    • Dropboxと同じくストレージサービス。Google DriveMicrosoftのOneDriveのようなコラボレーションのイメージはちょっと薄い
    • 企業内セキュリティに強い、いまどきのストレージサービスという印象
  • 登録ユーザー2,500万人
    • うち20万人が企業内有料ユーザー
  • 有料版の利用企業は3万4,000社
    • 単純に割ると$3,653/社。621ドル/企業内ユーザー
    • まずまずの高単価
  • 米国の次に欧州を狙う。アジアは東京に拠点、CTC及びマクニカネットワークスを事業パートナーに拡販

ポイント:成長力あるが財務が弱い

  • 損失が拡大中
    • 売上$124M (+111%)
    • 費用$293M (+71%)
    • 損失▲$169M(+50%)
  • 2014年1月に$100M調達したが、1月末現在で現預金が$109Mしかない
    • ファイナンスがぎりぎりだった...!
  • 費用の増大の理由は主にセールス&マーケティングのため
    • 人員は全社員で1,000人前後なので、無料で使っているユーザーのストレージ分を販促として計上している模様
    • 個人・法人の無料ユーザーは今後の潜在ユーザーであり、簡単に捨てられない
    • 有料化に踏み切るのも評判管理上良くない

感想

  • 見えている数字では、割と自転車操業感がある
    • 大企業向け導入が進んで売上が大きく伸びて損失が無くなると相当に強い
    • モバイル経由のストレージニーズが一服すると本気でGoogleやMSとコラボレーションで戦っていく必要有り、大変
  • エンタープライズ向けで111%の売上成長があるのは強力、ここが振り切れていくか
  • 関係ないけどはてなの米国子会社Hatena inc.と同じEl Caminoストリートにあり、1キロちょっとしか離れてないので、ご近所さんに頑張って欲しい