このニュースを見て、今日の頭の体操。
サマリ
セブン&アイ・ホールディングスが「Francfranc」運営する株式会社バルスの株式49%を第三者割当増資などで50億円掛けて取得。バルスは2012年MBOによる上場廃止後、香港を本社においてアジア展開を狙ったが、方針転換を余儀なくされた模様。セブン&アイの巨大流通網を活かせれば弾みがつくがリブランディングに課題。セブン&アイ側のPMI能力も問われる。
以下詳細。
株式会社バルスについて
- ウェブサイト: 株式会社バルス(BALS CORPORATION)-IR情報-
- 売上300億円超、創業者・高島郁夫さん
- Francfrancが基幹ブランド
- BALSもあるけど、売上は数十億円と小さい
- (自分は去年まで中目黒に勤めていたこともあり、BALS tokyoのイメージの方が強かったので、意外)
- 2006年に上場したが、2012年に創業者が運営する会社(香港籍!)にMBOして上場廃止
業績推移
- 上場していた時期は経常利益率4-6%で推移、2010年・11年は売上減少していたが、悪くなかった
- MBO
- 海外展開を目指すためにリスクは創業者に集める、という理由
- 総額157億円で、89%ぐらいが集まり139億円で成立
- その結果、2012年以降のIRリリースは停止したため、その後の展開はweb上では分からず
Findings
改めて、国内で勝てるか
ブランド認識とその劣化
- 報道によると売上は300億円台はキープしている。Francfrancは国内顧客による支持は失っていない
- 但し、既存客のブランド認識劣化はある模様
- はてなブックマークでも100円ショップと比較するコメントあり
- 「ここ数年フランフランは品質も売り方も店舗の雰囲気も悪くなっていく一方で、個人的には、今やならば100均で良いかなレベルだなと思っていた」(http://b.hatena.ne.jp/aLa/20131225#bookmark-174808074)
- 「天下のセブン&アイ参加で生地の質がもう少しましになるといいな、など。」(http://b.hatena.ne.jp/gnt/20131225#bookmark-174808074)
- 「300円均一ショップみたいな雰囲気になってたので、いいんでないかしら。」(http://b.hatena.ne.jp/raf00/20131225#bookmark-174808074)
- はてなブックマークでも100円ショップと比較するコメントあり
- IRニュースでも、2009年頃から既存店売上減少に悩んでいる情報開示がある
- 積極出店と既存店売上維持は両立がなかなか困難
今回の資本・業務提携は劇薬
- 成長にも衰退にも転び得る
- セブン&アイの巨大流通網に乗せることで改めて売上向上の機会を探りたい
- 一方、流通が進むことで中期的にブランド劣化が更に進む恐れも
- バルス側はFrancfrancという柱1本しかないので死活問題