田中慎樹メモ

ネット広告、ビジネスモデル、ベンチャー、経営、日常について

ネットメディアと、稀少性=場の価値を作り保つこと

TechCrunch50のスタートアップ発表セッションの間を縫って、ここに数々の大物パネリストによる「広告枠が無限にある時代の稀少性と価値とブランドの創成」と題したセッションをAdMeldとの協賛で行う。(中略)一流パブリッシャーに対して売れ残り広告が及ぼすジレンマについての議論の中で、Ross Levinshonがこう警告する。「いろいろな意味で、インターネットは自分の首を絞めていると私は思う。もはや、プレミアムスポットを最大限に活用するより、ページを追加すればいい、と考えるレベルまで来ている。」
(中略)
稀少性を作り出すことは、どんなビジネスでも不可欠だ。私は、トップページの広告は(mitsuki註:ネットワーク広告に)売りに出さずに、広告の整合性を保つべきだと思う。

TC50パネル:インターネットは、広告の安売りでゆっくりと自分の首を絞めている | TechCrunch Japan

古くて新しい話題です。それだけ核心を突いた問題なんでしょう。

ネットメディアの本質はロングテールであり、断片の積み上げです。検索エンジンから来訪して離脱するという一連の行動は、ページが切り取られて消費されるというスタイルそのもの。そこに稀少性は見出しにくいです。稀少性を持ち込みたい人にとって、ネットはむしろ完全アウェーの地であると考えて良いと思います。

私は、広報ブログの記事でも紹介したとおり、掲載量を適正に制限することは、閲覧者のためだけでなく広告主のためにもなると思います。そこからもっと踏み出して、その場の価値を上げていく。閲覧者にとっても、広告主にとっても。それが媒体営業の重要な仕事のひとつだと思います。価値を上げるための万能の解決策はなく、各媒体が独自性を追求してこつこつ積み上げていくべきものなんでしょう。