読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

田中慎樹メモ

ネット広告、ビジネスモデル、ベンチャー、経営、日常について

オギノのFSPがうまくいっているという話

景況感が下向いてくると「効率重視」「データ重視」と言った内容の記事が流行るものですが。FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)でうまくいっているという事例を紹介した記事はあまり見かけないので興味深く読みました。

山梨県のスーパー、オギノの工夫

オギノは山梨県下で大型店シェア25%をもつ地場スーパー。その強さを分析した記事。

 レシートにクーポンをつけるスーパーはほかにもある。ただ、すべての客に同じ商品を提案していることが少なくない。それに対して、オギノは顧客ごとに違った商品を勧めている。こうした提案が可能なのも、クラスター分析によって一人ひとりを分類しているためだ。
 「赤ん坊がいないお客さんに紙オムツの提案をしても意味がない」。こう語る飯野氏の言葉通り、その人のライフスタイルに合った商品を提案すれば、誰にでも紙オムツを勧めるといったズレは減るだろう。現実に、顧客のクーポン利用率は40%を超える。顧客が求める物を提案できているためだろう。

レシートに顧客毎の割引クーポン。利用率が40%超にものぼる。

菱食はこの研究や適用店舗の拡大を担当する組織として2008年4月に次世代事業推進本部R-プランニング部を新設した。菱食は2008年度中は実証実験を進めてノウハウを確立した後に、2009年以降はオギノや相鉄ローゼンと競合しない、他地域の地場スーパーチェーンにもノウハウを横展開していく考えだ。
 R-プランニング部の原正浩部長は「単純にPOSデータで売れ筋・死に筋を分析したり、国勢調査などの年齢・所得データと重ね合わせて商圏分析するだけでは、効果的な分析はもはや難しい」と来店客のライフスタイル分析に取り組む意義を説明している。

菱食はオギノへのコンサルティング内容を横展開。顧客であるスーパー毎に、ライフスタイル分析をして消費者に合った提案をしていく。そのための部署を新設した、と。
菱食は日本最大級の規模を持つ卸業者。本気さを感じる。

販促が広告を追い詰める

この話を読んでじわりと嫌なものを感じない広告マンがいるとしたら嘘じゃないかな。
レシートやメールを通して提供される割引クーポンについて、レコメンドの精度がどんどん高くなっていってる。これで売れないはずがない。そして、これで充分売れるとするなら、広告は要らないよ。「販促」が「広告」をどんどん追い詰めてくるよ。


もちろん、このオギノの事例なんてごく一部の奇跡的な成功例。その他の会社が取り入れていったCRMFSPの仕組みなんて、殆どが効果を生まない死屍累々の世界のはず。でも、情報技術の発達を目の当たりにして、小売業の人たちは顧客の購買行動を分析できそうだという希望に目覚めてしまった。とにかく一歩でも多く売るため、たゆみ無く改善してくるよ。
好むと好まざると関わらず、この流れは進みそう。。。と、今日は「広告」の立場にしてはちょっと悲観モード。